懐石とは 一碗の濃茶をおいしく飲んでいただくために お出しする 一汁三菜を基本とした料理です。

季節の旬のものを選び 持ち味を生かして 心をこめて作ります。

飯、汁、向付

mesi.jpg向付(むこうづけ)は先付け(さきづけ)ともいい、膳の向こう側に置くところから呼ばれるようになりました。懐石の基本である三菜のうち最初に出され、酒とともにいただきます。 汁は季節の野菜、豆腐、海草、麩、湯葉など、まずはほんの3口分ほどよそいます。 飯はとりあえず炊きたてを一口どうぞという意味で一文字程度だされます。

sake1.jpg茶事では、礼儀と交歓の意味からお酒をお出ししますが、宴席ではありませんので、酒は三献を限度としています。 酒器は、燗鍋(かんなべ)と盃(引盃・盃台)をもって正式とします。 主客ともに必ずしもお酒が飲めるとはかぎりません。 お酒が苦手な方は無理に頂かなくても大丈夫です。


飯器

hanki.jpg先に一口だされた飯に追加して2回ほど、量も十分にご飯がだされます。 また一度目に汁替えも行われ、飯、汁ともにおかわりします。 ご飯は 最後まで少し残しておき、最後の湯が出される時に一緒に終わるようにします。

煮物椀

wan.jpg煮物椀は三菜のうちの二菜めで、懐石のメインディッシュです。 材料の取り合わせ、季節感、味付けにもっとも心をこめる一品です。 椀中の風情や味をあつあつのうちにお楽しみください。


焼物

yakimono.jpg三菜のうちの三菜めにあたり、季節の肴や魚介類、野菜の焼物がだされます。 一般には焼物鉢に客の数だけ盛り込んでおだしします。 客は向付に焼物を取り、鉢を次客に手送ります。

預鉢

lmeal1.jpg預鉢(あずけばち)は、懐石の基本である一汁三菜以外に、さらに客をもてなしたいという心入れを表すためにすすめるもので、客の数の分だけ盛り込んでおだしします。 客は進肴を向付に取り、鉢を次客に手送ります。

小吸物

kosuimono.jpg吸物は小吸物、箸洗(はしあらい)とも呼ばれ、その名のように箸先を洗い清めるためにお出しするものです。焼物までの一汁三菜が終わった後にお出しし、焼物をいただいて生臭くなった箸先を洗い、口中を清々しく改めるという意味もこめています。 また椀の蓋は八寸を盛りますので、お皿の役割もします。


八寸

hasun2.jpg八寸四方の杉木地盆に持ってお出しますので、八寸と呼ばれます。海の生臭物と山の精進物を二種取り合わせてお出しすることが原則です。 亭主と客人の間でとり行われる献酬の作法を「千鳥の盃」と言います。

湯斗・香物

tsukemono.jpg懐石の最後に湯と香物が出されます。この湯を頂くために、飯椀には少量の飯を残しておきます。 香物は湯漬けを美味しく、頂きやすくするためのものです。




fbutton3.pngfbutton3.png


ev.pngev.png